福島民友新聞家庭版「Me&You」28年1月号に掲載されました

長所と短所 理事長 若月 ちよ

「お子さんの長所を十個書いてください。」とお話しすることがあります。すぐに書きはじめる方、しばらくペンが動かず考えている方、と様々です。
続いて、お子さんの短所を書き出してもらいます。今度は、すぐに書きはじめる方がほとんど┈「我が子にはこんな子になって欲しい」┈そうした想いがあるからこそ、今ここにいるお子さんの、そうではないところを「短所」として捉えてしまうのでしょう。

学生さんに、就職活動の話をする時、面接対策で自分の長所・短所を考えるという機会があります。自分のことでも長所を書き出すことがなかなかできません。自分の良いところを自分で認めることができるには、周りの人に認めてもらえることが必要なのではないでしょうか。「あなたは人の面倒をよく見て優しいね」と、周りの人から言われることで、自分が「優しい」ということに気付くのです。そんな認められるメッセージをもらう機会がないと自分の良いところを「長所」と意識することができないのだと思います。

お子さんの長所を書き出せる方、お子さんの姿をよく見ていらっしゃるのですね。日常の中でどんなことをしているのか、他の子とどんなかかわりをしているのか、昨日から今日どう成長しているのか、を見ていると、お子さんの良いところがたくさん見えてきます。

お子さんの短所ばかりに目が行ってしまうという方へ。実は短所は長所の裏返しなのです。自分の性格を「優柔不断である」と短所にとらえていることを、言い換えると実は、「物事をじっくり考えることができる」となります。また「あきっぽい」と思う短所は「なんにでも好奇心がある」という長所に言い換えることができるのです。がんこ→意志が強い、気が弱い→我慢強い、すぐ泣く→感受性が豊か、行動が遅い→慎重、反抗的→自立心・自分の考えがある、まわりを気にする→気配りができる┈こんな風にちょっと見方を変えると、お子さんの良いところがたくさん見えてくるのではないでしょうか。

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