福島民友新聞家庭版「Me&You」27年12月号に掲載されました

小さな芽~「叱る」ということ~ 理事長 若月 ちよ

私自身の子育てを振り返ると、反省することが多々あります。
特に子どもを叱った後に「あんな叱り方をしなくても良かったかも……」と思ったことは何度もありました。そういうことって子育てをしているとよくありますよね。
その時のことを思い起こすと、自分自身のイライラを子どもにぶつけていたなあと思うのです。

「叱る」の意味を調べると、「相手のよくない言動をとがめて、強い態度で責める」とあります。子どもを叱る時、それは子どもが悪いことをした時に、それを「悪いこと」だと教えるため…です。
でも、その時の私は、子どもが思い通りに動いてくれないことへのイライラや、周囲への不満のイライラを子どものちょっとした失敗にぶつけていたように思います。今思うと、自分に余裕がない時だったように思います。そして、それは叱っているのではなく「怒って」いたのです。その時私の中に湧いてきた「怒り」の感情をぶつけていたのだと、今ならわかります。

怒ってしまうと、子どもはその「怒り」の感情だけを受け取ってしまい 「悪いこと」をしないようにしようと思うのではなく、「怒られない」ようにしよう、と思うようになります。自然に「怒っている」大人の顔色をうかがい、行動するようになってしまうのです。
子どもたちには、自分で良い悪いを判断できるように育ってほしいと思った時に、子どもがした「悪いこと」を「叱る」のであって、「子ども自身」を責めるのではないことが大事なことだと思うのです。

とはいっても、親も人の子です。感情的に怒らずに、冷静に叱りなさい、と言われても、そういかないことってあります。
感情のまま怒ってしまった時は、一呼吸置いて、素直に「大きな声で怒ってごめんね」と謝りましょう。そして、その時本当に伝えたかったことをあらためて、きちんと伝えましょう…子どもに伝えたいこと、それは、心配だったこと、周りを思いやる気持ち、願い…
その時、あなたが子どもに、本当に伝えたかったことって、何でしょう。

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