福島民友新聞家庭版「Me&You」27年3月号に掲載されました

小さな芽~這えば立て…~ 理事長 若月 ちよ

「這えば立て、立てば歩めの親心」…我が子がハイハイをするようになると、そのことを喜ぶと同時に、今度は早く立てるようにならないかと思い、立てるようになったら、また、早く歩くようにならないかと思う、そんな親心を表す言葉です。子どもの成長を待ちわびる親の気持ちを言い表した言葉ではありますが、そんな親の気持ちはつい、「早く育て」になりがちです。でも、立ち上がる前のハイハイは、子どもの体の発達にとっては、とても大事な段階です。しっかりハイハイすることで、足腰や股関節、腕の力を鍛え、次に立ち上がった時にバランスを取って歩くことができるよう準備をしているのです。
ですから、十分にハイハイをすることは、しっかり歩く力を養うことになるのです。早く立てるようになることが大事なのではなく、立って歩く力が十分つくまで待つことが大事なのです。

思春期の時期、いらいらしたり、口をきいてくれなかったり、反抗的な態度をとったり…それも、次のステップに進むための大切な時期です。その中で、子どもたちは自分に向き合い、葛藤し、さなぎの時代を過ごすのです。さなぎから蝶になるための準備をしているのです。そのさなぎの時期に急いで蝶にしようとしても、それは無理。ゆっくりとその成長を見守ってあげること、待ってあげることです。大丈夫、あなたのお子さんはちゃんと蝶になりますから。

子どもは、子ども自身の力で成長していきます。もしかすると、それはまわりの子とは同じペースではないかもしれません。でも、焦らないでください。今、あなたのお子さんは、自分らしく自分のペースで生きているのですから。
親ができることは、その育ちを見守ること・・・助けを求められたら、手助けしてあげればいいのです。
「早く育て」と先回りして、手を出したり口を出したりして、邪魔をしないようにしたいですね。
そして、じっくり考えている時、夢中で何かに取り組んでいる時には待ってあげてください。
次にステップアップするための準備をしているのかもしれませんから。

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