避難先から帰ってきたお母さんが交流できる場を
2014年2月28日、福島市保健センターで、「ままカフェ」が開催されました。「ままカフェ」は、東京電力福島第一原発事故の影響で県外に避難をした後、福島に戻ってきたお母さんを対象にした交流の場です。参加者同士が友達をつくったり、スタッフや参加者と意見を交換したり、福島の現状について知る機会にしています。
「ままカフェ」を開催するのは、東日本大震災 中央子ども支援センター福島窓口。その運営を担っているのが、福島県から委託を受けた「NPO法人 ビーンズふくしま」です。13年6月、郡山市で実施された第1回目の「ままカフェ」を皮切りに、現在は、福島、白河、いわきの計4市に広がり、それぞれ月に1度、10時〜12時の2時間、開催されています。スタッフとして、ビーンズふくしまのメンバーのほか、福島市では保健師、地域の子ども支援センターの保育士らが参加しています。
2月28日には、「NPO法人 放射線環境・安全カウンシル」の測定技術開発ユニットリーダーである佐瀬卓也さんと参加者が、放射能について話す座談会も行なわれました。これは、「ままカフェ」に参加していたお母さんたちから出た、「放射能のことについて勉強したい」といった要望に応えたものです。佐瀬さんは、講演の後、参加者から出された「子どもがどんぐりを集めるのが好きだが大丈夫か」「子どもが雪を食べてしまうが大丈夫か」などといった質問に、一つひとつ丁寧に答えていました。また、佐瀬さんからは、福島に生まれ育つ子が、福島の現状についてさまざまな観点から検証し、対処法を考える力を養成する「放射線教育」の必要性が提案されました。参加者からは、「それぞれの状況においてどのように対処したらよいのかが具体的に分かって安心した」といった声が多く聞かれました。
運営責任者であるビーンズふくしまの富田 愛さんは、「3月には、避難していた方、福島に住み続けている方、どなたでも参加できる『ファミリーday』というイベントも開催します。『ままカフェ』は現在は避難していた方が対象ですが、近い将来、そうでない方も含めて交流できるようになればいいと思います」と話していました。
また「ままカフェ」では、コープふくしまと日本生協連が行なっている、「家庭の食事からの放射性物質摂取量調査」の結果が参考資料として参加者に提供されています。お母さんたちが福島の現状を理解するための取り組みに、生協の活動もお役立ちしています。
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