不登校を考える(2) 理事長 若月 ちよ
子どもが不登校になる┉┉親にとっては、青天の霹靂(へきれき)┉┉でも、実は、不登校は親にとっても子どもにとっても、これからを考える大事な機会です。
「学校に行けない」何かが子どもの中に起きている、その原因はわからなくても、まず、その気持ちを理解すること、それは、今ここにいる子どもをそのまま受け入れるということです。学校に行くか、行かないかではなく、「この子らしく生きていてほしい」┉┉そこから、スタートすることだと思うのです。
学校に行けないことで、「ダメな自分」と思っている子どもたち。ですから、周りの目を気にして外出できなくなるし、昼夜逆転してしまうし、イライラして周りにあたってしまうし、自分自身を傷つけてしまうことも┉┉「学校に行けないこと」=「ダメ」ではないことを伝えてあげたいですね。
そのためには、学校に行こうが行くまいが、普通に生活すること┉┉たとえば、お休みの日、疲れていたら、ゆっくり寝るでしょうし、何かやりたいことがあったら、それをするでしょう。不登校でお休みしているときも同じです。ですから、親ができることは、朝起きたら、「おはよう」と声をかけ、ご飯ができたら「ご飯だよ」と声をかけ、一緒にご飯を食べることができたら、食卓を囲む団らんの時間を楽しみ、子どもが話したいことがあったら聴いてあげ、出かけたかったら一緒に外出する┉┉そんなふうに普通に生活することです。
まず、安心して家にいられること、自分がどうしたいか、その気持ちを大切にしながら、過ごすことができるようになること、自分が「今」どうしたいか、をちゃんと感じることができれば、これからのことも考えることができるようになってくるのです。
ですから、私たち大人は、「こうあらねばならない」という視点で考えるのでなく、子どもがどうしたいかを支えてあげられるようになることが大事だと思います。
子どもの不登校は、親として成長させてもらえる大事な機会です。
今、子どもにとって大切なのは何か、私たち大人が考えていかなくてはならない大事な課題ではないでしょうか。