福島民友新聞家庭版「Me&You」27年8月号に掲載されました

小さな芽~考える力と想像する力~ 理事長 若月 ちよ

近頃起きている子どもたちの事件を聞くたびに思うことがあります。
この子たちは、自分たちがやっていることが、これからどんなことを引き起こすことになるのか、想像できなかったのだろうかと。
相手に対して、感情のままに攻撃している時、相手がどんな気持ちになっているのかを想像することができたなら…。
自分のしている行動が、最悪な結果につながるかもしれないと、想像することができたなら…。
なぜ、子どもたちは相手の気持ちを想像することや、これから起きるであろう結果を想像することができなかったのだろうかと思うのです。
子どもたちは、日々さまざまなことを学んでいきます。
「学ぶ」でまず思い浮かぶのは、学校の勉強。以前こんなことを聞いたことがあります。日本は2+4=□の□の答えを求めるが、他国では□+○=6の□と○を考えさせると。計算するということは同じでも、考えるという過程には、大きな違いがあると思いました。2+4の答えはひとつです。ですが、□+○=6の答えはひとつではなく、いくつかあります。あれはどうだろう、これはどうかしらと考える力が育まれるのです。これは、大きな違いだなあと思います。考える力の延長に、想像する力が育つのではないでしょうか。

子どもたちの学びは、学校以外の生活の中にもあります。
生活の中で出会うことは、子どもにとって学びです。知らなかったことを知る、そのまま鵜呑みにするのではなく「これって、なんだろう」と考える機会になります。また、失敗することも大事な学びです。なぜ失敗したのか、失敗しないためにはどうするか、考える機会になるからです。そして、それが想像する力につながり、成長につながるのです。

人との関係も大事な学びです。自分の思いが相手とぶつかった時、どうしたらいいのか、相手がどう思っているのかを考え、想像力を働かせる。わからなかったら聞いてみることも必要です。自分の勝手な思い込みにならないためにも。
人への思いやり。それは、考える力と想像する力の延長上にあるのです。

small_bud_aug_27