福島民友新聞家庭版「Me&You」27年6月号に掲載されました

小さな芽~子どもへの期待~ 理事長 若月 ちよ

子どもたちが輝くような笑顔で駆け回って遊んでいたり、真剣そのもののまなざしで何かに夢中になっていたり…。そんな様子を見ていると、これから広がる大きな可能性を感じます。そして、そうした可能性を秘めた子どもたちに、大人が大きな期待感を持ってしまうことは、自然なことかもしれません。
期待をかけることが悪いということではありません。子どもにとっても、親や大人に期待されることは、励みになり、それが努力につながり、結果へとつながっていくことになると思います。それが、子どもの想いと同じであれば、そうなっていくのだと思います。

でも、その期待が子どもの想いと違っているとしたら…。
子どもは健気(けなげ)です。親や大人に何かを望まれていると感じた時、その期待に応えようと、大人が考える以上に頑張るのです。親や大人はそのことができると、満面の笑顔で喜んでくれることを、子どもは知っています。そしてそれは子どもの喜びや達成感にもつながるのです。

でも、それが子どもの想いと違っているとしたら…。
本当は大人が願う「期待」と違うことを子ども自身は望んでいたとしても、大人の期待に応えることを、自分の想いより優先することばかり続けていると、自分の想いは「ないこと」になってしまい、自分の本当の気持ちがわからなくなってしまう、ということが起きてしまいます。
また、親や大人の期待に応えられない状況が起きた時、期待に応えられない「ダメな自分」と思ってしまうこともあるのです。子どもにとって大きすぎる期待は、子どもの自己肯定感を低めてしまうのです。

大人は、決して大人の思う通りの子どもに育ってほしいと思っているわけではないはず。期待は期待で良いけれど、それを押し付けてはいけないのです。それをどうするかは、子ども自身が自分の想いを大事にしながら、自分でどうするかを決めていくことが大事なのです。
今の期待が大人の押し付けになっ ていないか、ちょっと立ち止まって考えてみませんか。

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