福島民友新聞家庭版「Me&You」26年8月号に掲載されました

小さな芽~反抗期から自立へ~ 理事長 若月 ちよ

「うちの子、最近言うことを聞かなくなって・・・」
思春期を迎えたお子さんを持つお母さんが、そんな風に嘆くのを聞いて、私や私の仲間たちは、口をそろえて、
「よかったね、ちゃんと成長しているってことだね。」
ということがあります。
親にしたら、今まで親の言うことを聞いていた我が子が、突然変わってしまった戸惑いを感じる時期です。でもそれは、親から自立しようとしている一歩なのです。

もう少し小さい頃を思い出してみてください。
2・3歳の頃、昨日まで靴を履かせてもらっていた子が、突然、「ひとりで!」と言って、手を貸してもらうことを嫌がったり、着替えを手伝ってもらうのを嫌がり自分でやろうとしたり・・・時間はかかるし、上手にはできないし・・・親から見 たら困った時期ではないでしょうか。
でも、その気持ちを大事にしないと、決して自分でできるようにはならなし、自分でやろうとする気持ちも育ちません。

思春期の反抗心も同じです。今まで親の言うことを聞いていた子が、親に反抗することで、「自分」というものを築いていくのです。親の生き方とは違う「自分」の生き方、親の考え方とは違う「自分」の考え方、そうしたものを求めながら、悩む時 期なのです。親である皆さんもそんな時期を通過してきていますよね。
だから、お子さんが反抗期に入ったら、それは発達段階を踏んで育っているということです。しばらくは、嵐の真っただ中のようなもの、でも嵐は必ず去っていきます。そして、台風一過の青空が現れますよ。

自立に困難さを抱えた若者たちの親御さんの話をうかがうと、反抗期もなくいい子だった、と聞くことがあります。やはり、子どもたちが自立していくために「反抗する」という時期が必要なのだなあと感じます。
親自身が、余裕をもってその時期を受け止めることができるよう、親は親で子育て仲間とそんな子どもたちのグチを言いあえる場を作ってみませんか。
子どもたちの育ちを支えるために。

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