福島民友新聞家庭版「Me&You」26年3月号に掲載されました

小さな芽~「失敗してもいいんだよ」~ 理事長 若月 ちよ

失敗することがこわい・・・だから、何もできない、何もしようとしない。そんな若者の姿が見受けられます。そんな若者たちを見ているとそれまでいかにまわりの大人たちが「失敗する」ことをOKしてこなかったのだろうと思うのです。
いえ、決して「失敗するな」という言い方はしていなかったでしょう。
でも、子どものしたことがうまくいかないのを見ると、
「ほらみなさい、言うとおりにしないから!」とか、
「何をしているの!だからダメだっていったでしょう」
そして、
「もう、何もしなくていいから!」
大人がそんな風に無意識にかけてしまう言葉で、子どもは失敗すると叱られる、失敗することは「ダメなこと」なんだと学んでしまうのです。
本当に失敗することは、「ダメなこと」なのでしょうか。
失敗することから学んできたことってあるのではないでしょうか。
いえ、「失敗するからこそ学べることがある」と思います。

大人は子どもにころんでほしくない、傷を負わせたくない、悲しい思いをさせたくないと思ってしまいます。だから、つい口を出してしまうし、手をかけてしまう…
でも、悲しい思いをするから、他人への思いやりの心が育ち、苦しい思いをするから次にトライしようとする気持ちが育まれるのです。
人はころぶから、立ち上がることを学ぶのです。

大人ができることは、ころんだ時に立ち上がるまで、それを見守ること「大丈夫あなたならできる」と信頼して声をかけてあげること、そして立ち上がることができたら「がんばったね」とほめてあげることではないでしょうか。
失敗することは、自分で次に失敗しないようにするにはどうしたらいいかを学ぶ大事な機会なのです。そして、それこそが子どもの生きる力を育てることになるのです。
子どもがころんでしまうことを恐れず、その立ち上がり方を学ぶ大事な機会として見守ってあげてみませんか。

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